会計報告のための評価
会計報告のための評価近年世界的に、財務報告の透明性への要求から、国際会計基準へのコンバージェンスの動きが活発になっています。特に日本基準では資産の簿価による計上から公正価値(時価)による計上への移行と、大きな変革の時を迎えております。企業にとっては、実務の負担が重くなると共に、公表する資産状況が企業の業績や市場・経済動向を反映することになり、経営面でより難しいかじ取りを迫られています。
また、エンロン事件に端を発した一連の会計不信から、米国において2002年7月にサーベンス・オクスレー法(SOX法、企業改革法)が制定されました。日本においても日本版SOX法準拠が金融商品取引所に上場している企業に義務付けられ、企業の会計報告に対する監視の目が強化されました。これにより監査法人は監査顧客に対し、コンサルタント業務、資産評価業務のような非監査業務を提供することが出来なくなりました。このような状況の下、厳密な会計報告がますます要求され、公正かつ中立な価値評価の必要性が高まっています。
(例)M&Aにおける公正価値評価
米国会計基準では、M&A(企業結合)の場合に、米国財務会計基準審議会(FASB)基準書第141号(SFAS141:企業結合の会計処理)の規定に従い、買収した会社から取得したあらゆる資産(有形固定資産から無形資産まで)の公正価値を求め、その総額と買収金額との差額をのれんとして認識し、バランスシートに計上します。すなわち、被結合会社(被買収会社)の資産・負債を公正価値で引き継ぐことになります。またSFAS142(営業権その他の無形資産)により、企業結合時に計上される営業権の定額償却は行われず、営業権は毎期評価(減損テスト)を行った上、一定の状況に該当した場合に減損処理を行います。また、固定資産の減損については、SFAS144号によって定められています。
このようにM&A(企業結合)後には各資産の公正価値を評価し、買収(企業結合)によって取得したのれんの額を確定させる必要があります。また、それ以降もSFAS142号に基づく減損テストを行わなければなりません。その評価については、今まで以上に中立性、公正性のある資産評価が求められています。これらの評価は開示すべき財務諸表と直接関わっており、弊社が行った資産評価結果をもとに、買収後の財務諸表の作成などの会計処理が行われています。その中立性、公正性について経営としての説明責任が求められているとも言えます。日本においても、企業結合会計の導入に従い企業結合後の資産評価のニーズが急速に高まっています。
